「ライナルツ!」
ピッチに選手たちが現れると、観客は自然と立ち上がり、歓声と拍手で迎えた。チャンピオンズリーグアンセムが流れ、いやがおうにもムードが高まる。気になるのは、いくらアウェイとはいえ、バレンシアサポーターの数が異様に少ないことだ。飛行機が遅れて、試合開始に間に合わなかったのだろうか。としたら、早くスタジアムに来られるといいのだが。
アンセムが終わり、選手たちがピッチに散らばった。前半はバレンシアが私たちの方に攻めてくる形になり、レノがすぐ前のゴールエリアに走ってきた。サポーターから再び「レーノーレーノー」とレノコールが起きる。この試合に勝つには、レノがこれまで同様に守りまくるしかない。そんな思いも感じられた。
他の選手たちもそれぞれ自分のポジションにつく。バラックはトップ下。本当はもっと下の位
置の方がボールに触れる機会が多く、本領を発揮できると思うのだが。わずか一ヶ月前には「途中出場でもいいから」と願っていたことを思うと、私も贅沢になったものだ。
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